1:1 ヤコブ書の内容にはユダヤ教との共通点が多いが、「主」をイエス・キリストに冠して冒頭からキリスト教的色彩を示す。471(1)
1:1 エルサレム以外の各地にいた信徒(1ペテロ1:1、ヨハネ7:35、エゼキエル22:15)。471(2)
1:2 試みは苦しみにつながる(1ペテロ1:6、4:12以下)。471(3)
1:3 ローマ5:3~5。471(4)
1:4 神のごとく完全にされるところに救いの極致がある。471(5)
1:5 神の属性を示す重要な語。ヤコブ3:13以下(箴言2:2~6、8:1以下)。471(6)
1:5 与える神はゆるす神、めぐみの神である。471(7)
1:6 マタイ14:30以下、21:21以下。471(8)
1:8 ヤコブ4:8。471(9)
1:9 貧しい兄弟(同信の人々)のこと。集まりの中の貧者のことはヤコブ書の重要問題である(1:27、2:1以下、5:1以下)。471(10)
1:10 イザヤ40:6以下。471(11)
1:12 1コリント9:25。471(12)
1:13 神は義にいますがゆえに人を試みず、自らも試みられない。471(13)
1:14 人を試みて罪を犯させるのは自らの欲である(ローマ7:7以下)。戦争も欲による(ヤコブ4:1以下)。471(14)
1:15 欲と罪と死の関係はローマ6:12~23にも見られる。471(15)
1:17 すべて神のものは天から地に恩恵として下る。再臨のキリストも(1テサロニケ4:16)、新しいエルサレムも(黙示21:2)、然りである。471(16)
1:17 詩篇136:7。471(17)
1:18 1ペテロ1:23、ヨハネ1:13。創造は神のことばによって行なわれた(詩篇33:6)。すべての人を救って生かすキリストが神のことばである(ヨハネ1:1以下)。神秘的な抽象論でなく、キリストの福音が人を生かすことは事実である。471(18)
1:18 ローマ8:23、黙示14:4。471(19)
1:20 マタイ5:22。471(20)
1:20 ローマ1:17。471(21)
1:21 ルカ8:13。471(22)
1:23 マタイ7:26、ローマ2:17以下。471(23)
1:25 ヤコブ2:12。キリストによって成就される解放の律法(ローマ8:2)。471(24)
1:26 「敬虔な」「宗教的」とも訳せる。473(1)
1:26 ヤコブ3:1以下。473(2)
1:27 イザヤ58:7以下、エレミヤ5:28以下など。473(3)
1:27 ローマ12:2、エペソ2:2。473(4)
2:1 9節、1ペテロ1:17。神は公平にいます(申命10:17、ローマ2:11、エペソ6:9など)。473(5)
2:2 シナゴグ。473(6)
2:5 申命7:7、1コリント1:27など。473(7)
2:7 ピリピ2:9。473(8)
2:8 レビ19:18、マタイ22:39。473(9)
2:9 申命1:17。473(10)
2:10 ガラテア3:10。(申命27:26)。この節では隣人愛が中心的なことは明らかである。473(11)
2:12 ヤコブ1:25。473(12)
2:13 あわれみは裁きとちがうが、裁き以上の力ですべてを明らかにする。473(13)
2:14 24節とともにパウロがローマ3:28、ガラテア2:16でいう「信仰のみによる義」と形の上で対立するが、ヤコブ書は直接パウロを批判するのではない。信仰だけをいって宗教の殻にとじこもり、貧者を顧みない富裕階級への批判である。従ってローマ2:6および12:2、13:10、ガラテア5:6、6:2、エペソ2:10などと並行すると解すべきである。473(14)
2:18 信仰と行為、福音と律法を自己中心に分離して私欲に生きるものへの批判である。473(15)
2:19 神を唯一至高と信ずることは悪霊もする、との意。473(16)
2:21 創世22:9。473(17)
2:23 創世15:6の成就をイサクをささげたという行為に見る解釈である。473(18)
2:25 ヨシュア2:4、15が行為、同6:17、25が行為による救いを示すと解しうる。473(19)
2:26 霊はいのちである(創世2:7など)。473(20)
3:1 職業としての教師でなく、聖書を学ぶ意欲の盛んであった初期の信徒の状況(1テモテ4:13以下など)を反映する(1コリント12:28以下、エペソ4:11、2テモテ4:3以下など)。475(1)
3:2 マタイ12:36以下、15:18。475(2)
3:2 以下、言語教育の重視に注目すべきである。475(3)
3:3 詩篇32:9。475(4)
3:6 箴言16:27。475(5)
3:6 ヘレニズム時代の哲学用語。475(6)
3:7 創世9:2の順序である。475(7)
3:8 詩篇140:3。475(8)
3:9 創世1:26以下。475(9)
3:12 マタイ7:16以下、12:33。475(10)
3:13 ヤコブ1:5の注。475(11)
3:13 当時の重要な倫理概念。475(12)
3:14 1コリント3:3。475(13)
3:15 天来の、神からの、の意(ヤコブ1:17)。475(14)
3:17 ヤコブ1:5。475(15)
3:18 イザヤ32:17、ピリピ1:11など。475(16)
4:1 ローマ7:23、ガラテア5:17、1ペテロ2:11。475(17)
4:4 悪の世と神とは対立する(ヤコブ3:6)。クムラン文書にも光の子と闇の子との対立がある。しかし聖書では神によるこの世の救いへの方向が明白である。475(18)
4:5 出エジプト20:5。神は霊を人に吹き入れて生かす(創世2:7)。475(19)
4:6 箴言3:34、ヨブ22:29、マタイ23:12。475(20)
4:7 1ペテロ5:7以下。475(21)
4:8 ヤコブ1:8。475(22)
4:9 ルカ6:25。475(23)
4:11 律法すなわち隣人愛である(ローマ13:10)。475(24)
4:12 唯一至高の神。律法にそむくのは神をあなどることである(ローマ2:23)。477(1)
4:13 箴言27:1、ルカ12:20。477(2)
4:14 詩篇39:5以下、ヨブ8:9。477(3)
4:16 アモス8:5。477(4)
4:17 ルカ12:47。477(5)
5:1 イザヤ5:8~10。エレミヤ5:27~29、アモス8:4~8、2:6。477(6)
5:2 マタイ6:19。477(7)
5:3 世の終わりの裁きである(イザヤ30:27など)。救われるものは神の国が近いからよろこびをもって愛を行なうよう勧めを受ける(ローマ13:11)。477(8)
5:4 申命24:14以下、マラキ3:5。477(9)
5:4 創世4:10、ヨブ31:38、イザヤ5:7。477(10)
5:5 ルカ16:19。477(11)
5:5 エレミヤ12:3。477(12)
5:6 マタイ5:10のような人(詩篇37:5~6など)。477(13)
5:7 秋の雨。477(14)
5:7 春の雨。477(15)
5:8 ヘブライ5:8。477(16)
5:9 黙示3:20。477(17)
5:10 マタイ5:12。477(18)
5:11 マタイ10:22。477(19)
5:11 ヨブ1:22。477(20)
5:11 ヨブ42:10、12。詩篇103:8、111:4。477(21)
5:12 マタイ5:34以下。477(22)
5:14 古代に油はいやし(イザヤ1:6、マルコ6:13、ルカ10:34)その他いたわりの場合に用いられた(マタイ26:7以下など)。477(23)
5:15 病と罪との関係は深い(マタイ9:2、22など)。477(24)
5:17 1列王17:1、18:1。477(25)
5:17 ルカ4:25。477(26)
5:20 いったん去った人の戻ることは死からの救いである(マタイ18:12以下、1ヨハネ5:16)。478(1)
5:20 1ペテロ4:8。478(2)