1 キリストの死と復活によって救われたものは、その愛にとらえられている。また、パウロは信仰ゆえにローマのとらわれびとでもあった。奴隷問題がこの手紙の基調であり、その解決は愛以外にないことが用語にもあらわれている。445(1)
1 「善意」の意味。当時ありふれた人名であった。445(2)
7 ローマ1:7の注参照。445(3)
9 律法的な命令でなく、愛による示唆として。14節参照。445(4)
10 信仰に導いたこと(ガラテア4:19、1コリント4:15)。445(5)
10 「利益」の意で、益雄とでも訳せる人名。次の節の「無益」と、「益を得る」とも訳せる20節の「よろこぶ」とはギリシア語の語呂合わせである。445(6)
14 福音の仕事を手伝わせたい希望よりも倫理を重んずるパウロ、すなわち宗教事業よりは愛の実践という趣旨であり、ここに初期キリスト教の底力があった。445(7)
15 一時の別れが永久の愛の関係のもとになる、とは罪から恩恵へ(ローマ5:20)の線を思わせる。445(8)
19 キリストに罪の代価をつぐなわれたものは、感謝をもって人の負債をつぐなおうとする。ここに福音的な経済観、社会観が芽ばえる。445(9)
25 ピレモン書はこのように個人色豊かなうちに、愛による奴隷解放と社会改良を示唆する珠玉の書簡である。445(10)