ショック追放

 世は昭和元緑で戦後は終わった,などといわれるのですが,このごろはどうでしょうか.自分の国からは政党の有力者らが中国へ行っているのに,別の国のピンポン団につづいて大統領が行くとなるとショックで大騒ぎし,この夏は何年も前からいわれていたドル防衛が金交換停止に発展するとショックで蜂の巣をつついたようになりました.

 ヨーロッパの新聞も大きな活字でこれらを報道してはいますが,一方イギリスやスイスは20年前に中共を承認していますし,他方ヨーロッパの通貨の安定を目ざす方向では大体一致していて社会の各層に落ちつきが見られます.経済大国といわれる日本の円の再評価も論ぜられていますが,日本の実情を知る外人の好意ある発言に慎重論が多いのも注目すべきです.日本人は勤勉ですが,その勤勉の実がどこかで吸い取られてはいないでしょうか.

 中国は一つか二つかを日本人が勝手に決められるようないい方には,かつての大陸進攻を思わせる傲慢さがありますし,自ら大国の名に甘んじるならばこれまた思い上りです.中小企業の苦しさや農民の血と汗への配慮が政策にあらわれないところにも問題があります.

表面的は平和の中にいろいろな問題のあった紀元前後のローマ帝国には今日の世界と似た点がありますが,その中でイエスによって示された隣人愛に目ざめて謙遜に相互扶助をつづけ,“敵から何ごとにもおどかされません.これは彼らには滅びのしるし,あなた方(信徒)には救いのしるし”(ピリ1:28ピリ1:28 敵から何ごとにもおどかされません。これは彼らには滅びの徴、あなた方には救いの徴で、これは神からのものです。 )といったパウロたちに学びたく思います.