酔払い対策

 十字路の信号が青ならば進み,赤ならば止まるという規則が守られれば安全ですが,酔払い運転その他で赤でも止まらない車が横から飛び出すから左右を見てから進まねばならない,というのがこのごろの状況です.社会生活のいろいろな取決めも,相手がそれを守ってくれるか,守る力があるか,背後に妨げるものがないか,等々を考えねばなりません.国と国との間の条約もそうです.たくさんの条約が破られて戦争が起こったことは歴史の教えるとおりです.

 いわゆる戦後の一世代が過ぎようとする現在,世界中の多くの人々が深刻な不安の中にいることは否定できません.たとえ条約は守られても,酔払いもしくはそれに準ずるものがどこかでまちがいをすればたいへんな核爆発が起こる可能性が増しています.世界唯一の被爆国として,その恐ろしさをもっと世界に知らせる必要があります.そしてただ条約を楯にとるのでなくて,信号無視の酔払いがあることを忘れず,それをなくすようにせねばなりません.

 そのためには政治的な先入主など酔払った感情にとらわれない知識が必要ですし,太平洋の波に洗われる国々を隣国としつつ,隣人愛を隣国愛へと発展させねばなりません.

 そしてそれが不可能な場合にはどうしたらよいかを考えましょう.この世の観察とそれへの対応です.こうした姿勢そのものが長く聖書を読むと示唆されくることは,明治以来の日本の歩みと,聖書を自分で読むよう教えられた人々とを見ればわかるのではないでしょうか.抽象的・観念的・儀式的な信仰でなくて,過去・現在・未来を直視しつつ永遠に真実なものを求めようではありませんか.