3年目のごあいさつ

 鴎友学園長への就任に際しまして巻頭言に“ごあいさつ”を書き,心身ともに弱いわたくしのために読者諸兄姉のご加禱をお願いしましてから,3年近くたちました.その間のことの一端は書斎だよりその他でお知らせしたとおりです.

 さて,昨年秋入院しまして以来,今後の歩み方について考え,然るべき方々とご相談もしてきましたが,この3月で学園長の任を辞することになりました.

 暮れに退院できましたころはお医者や看護婦さんから全快を目ざしての懇切な手当てを受けていまして,とにかく職場に復帰することが適当な状況でした.年が明けてから舌の患部は快方に向かい,普通に近い生活が可能になりましたが,放射線治療と年齢進行によって体力は衰え,まだ当分通院が必要ですので昨年までのように学校管理と研究とを両立させることは難しくなりました.研究をやめることは,大学を停年で辞めましたころ,研究のためにいろいろな仕事を辞退させていただいた向きに対しても申しわけありません.

 勤め先では涙を流して留任をすすめてくださる方々もありますが,入院中固まった協力体制をもとにして今後の運営がなされるとのことですし,この際退くよう話がまとまりました。いろいろわたくしに期待された方には相済みませんが,健康のためおゆるし願います.3年間いろいろお世話になった方々に厚くお礼申し上げます.

与えられた肉体のとげ(Ⅱコリ12:7Ⅱコリ12:7 啓示があまり素晴らしいので、わたしが高ぶらないよう肉に刺が与えられました。それはわたしが高ぶらないよう打つためのサタンの使いです。 )を感謝しつつ研究活動を主として平信徒の道を歩ませていただきたく思います.あらためて諸兄姉のお祈りをお願いいたします.